Amazon Prime Videoで見た4作品の感想です。

帰れない山 (Le Otto Montagne / The Eight Mountains) 2022
パオロ・コニェッティの同名小説を映画化。「マーティン・エデン」のルカ・マリネッリが主演ということで楽しみにしていましたが、見た後に静かな感動がじんわりとしみわたる、私好みの作品でした。
「マーティン・エデン」も文学作品の映画化でしたが、ルカはこういう作品がほんとうによく似合う俳優さんだな、としみじみ感じながら、深い満足感を味わいました。
生まれ育った山を一度も離れることなく一生をささげたブルーノ。そして、世界の山々をさまよいながら、自分が何者かを探し求めていたピエトロ。ずっといっしょにいたわけではないけれど、二人はずっと心と心がつながっていたのだと思います。
北イタリアの山岳地方の美しさ、そして冬の自然の厳しさも印象的でした。そういえば、ブルーノもピエトロも、自分の父親とは決して分かり合えなかったのですよね。父と息子って難しいな… そんなこともふと感じた作品でした。

アバウト・ライフ 幸せの選択肢 (Maybe I Do) 2023
ニューヨーク郊外に住む2組の家族が繰り広げる恋愛ドタバタ劇。正直言って中身は薄っぺらく、こんな偶然ある?!と思ってしまうような、ばかばかしい設定ではあるのですが、気楽に見れて楽しめました。
ダイアン・キートンは相変わらずキュートでしたし、スーザン・サランドンの迫力ある美しさには圧倒されました。サランドンが演じるモニカはインテリア・デザイナーという設定なので、お家もゴージャスで素敵でした。
モニカが息子と一緒に飲むために用意したハイティーのシーンも印象的でした。レモングラスとカモミールのお茶、そしてクリームチーズとディルをはさんだきゅうりのサンドイッチ。思わず、まねして作ってみたくなりました。
エマ・ロバーツの相手役のルーク・ブレイシーは、たぶん初めて見た俳優さんですが、正統派のハンサムボーイで、エマとのカップルもとても絵になっていました。

なんて楽しいクリスマス! (Oh. What. Fun.) 2025
ミシェル・ファイファー主演のクリスマス・コメディ。原題の Oh. What. Fan. は、「ジングルベル」の次の歌詞から来ているものと思われます。
Oh, what fan it is to ride in a one-horse open sleigh!
これはわかる~と思いながら見ていました。アメリカにおけるクリスマスの圧は半端なく、私もアメリカで子育てをしていた頃は、この時期になるとクリスマス準備に追われていました。
クリスマスツリーやリース、屋外の電飾、クリスマスクッキーなどのお菓子作り、ジンジャーブレッドハウス作り、クリスマスカード書き、プレゼントの準備、そして当日のごちそう作り。
でもそれらは誰から頼まれたわけでもなく、自分で自分に圧をかけてやっていただけなのですよね。(とはいえ、今となってはかけがえのない思い出になっています。) 今は、そうした呪縛から解放されて、とても楽になりました。
翌年、スキーリゾートで迎えるクラウスター家のクリスマスは、ママもリラックスして楽しめて、めでたしめでたしでした。

フライトプラン (Flightplan) 2005
ジョディ・フォスター主演のサスペンス映画。20年前の作品ですが、映像もきれいで、あまり古さを感じませんでした。
ジョディは相変わらずかっこいいし、ハラハラドキドキと楽しめたのですが、「え? こんなことのために、ここまでやる?」「いやいや、これはさすがに無理があるでしょう」と思うような気になる点がてんこ盛り。
それでも、気楽に楽しめてとてもおもしろかったです。